今回は１０代男性の手の甲の刺青切除の症例です。

手の甲は皮膚の伸展性は良くありません。

指の曲げ伸ばしによって伸展性は大きく変わります。

手の甲の皮膚をつまんでみて下さい。

指を伸ばした状態ですと比較的つまみ易いですが、

こぶしを握った状態ですとほとんどつまめません。

したがって指を伸ばした状態だけを想定して取り除いてしまうと、

指が曲げ難くなり大変なことになってしまいます。

つまり、指を曲げた状態を常に意識しながら慎重に取り除かなければなりません。

上の写真は刺青切除の術前と１回目の術後１週間目です。

術中、何度も指を動かしてもらいながら、慎重に取り除きました。

２回目の刺青切除の術後１週間目と３回目の術後１週間目の写真です。

２回目以降は皮膚の緊張がかなりかかっているので、さらに慎重に行う必要があります。

というわけで本当は２回の手術で完全に取り除く予定でしたが、

指の動きを考慮すると、あと少しがどうしても残ってしまいました。

手の甲、指の刺青切除の場合は、手の動き、指の動きなどの機能を考慮しながら

手術しなければならないので、経験と技術、そして慎重さが必要になります。

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